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天才柳沢教授の生活 昭和20年編一気読み

天才 柳沢教授の生活(24) (モーニングKC (1276))

天才 柳沢教授の生活(24) (モーニングKC (1276))


昭和20年編(19巻から24巻)のうち20巻以降を一気に読んでしまった。ちょっとずつ読もうとしたのだけど面白すぎて途中で止められなかった。いつもの一話完結ではなくて、長編のストーリーで読み応えがあった。昭和20年編は終戦直後にふとしたきっかけで戦災孤児の教師になった柳沢教授のお話。教授の教育者としてルーツともいえるエピソードになっている。なぜ教授が経済学の教授になったかも分かったりする。
このエピソードのテーマを言葉で説明すると、一部しか捉えられない陳腐な表現になってしまう気がする。いろんなものが詰っていて、読んでるといろんな方向にイメージが広がる感じ。マンガによる表現がすごくマッチしてると思う。表現といえば、黒い独白の文字が、次第にマンガ部分を覆っていく24巻の「炎のイブ」には凄みを感じた。人の心の闇を描くこの表現はかなりぶっ飛んでると思う。
良い面も悪い面も人の心の不思議さを描くという点では、最近の「不思議な少年」の方がより洗練されているかもしれない。だけど「柳沢教授の生活」の安心感というか親しみやすい感じもよいなぁ。
まぁいろいろあるけどラストシーンは泣けます。登場人物にはそれなりの素敵な結末が用意されています。読み終わった後は周りの人間を理解しようという、やさしい気持ちにもなります。これはオススメです。普段マンガを読まない人には特に読んでもらいたい。