これはハードですよ
- 作者: グレッグ・イーガン,山岸真
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/09/22
- メディア: 文庫
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30 世紀、人類のほとんどは肉体を捨て、人格や記憶をソフトウェア化して、ポリスと呼ばれるコンピュータ内の仮想現実都市で暮らしていた。ごく少数の人間だけが、ソフトウェア化を拒み、肉体人として地球上で暮らしている。“コニシ”ポリスでソフトウェアから生まれた孤児ヤチマの驚くべき冒険譚をはじめ、人類を襲う未曾有の危機や、人類がくわだてる壮大な宇宙進出計画“ディアスポラ”などを描いた、究極のハードSF。
グレックイーガンは「しあわせの理由」を読んだだけのうっすい読者です。理系知識を要求しすぎてかなり敷居が高かったけど、なんとか読了*1。読み終わったあとは、感動した!とかそういうのを超えた感覚を味わえます。いわゆるセンスオブワンダーというのはこういうのかも?
本書は「難しすぎ」といわれる。だけど、僕は長編小説を読むとき、ざっと読んで脳内ロードマップを作ってから、好きなシーンをじっくり読むという変な読み方をするので、この本を読むのには有利だと思った*2。難しいところは斜め読みして、あとで復習すればいいから。この小説はいたるところで、スケールや登場するものが違うけど、同じシチュエーションというかパターンが出てくるのが特徴的だと思うので、改めて発見することも多かった。
解説にもあるけど、この小説はハードSF版「スタートレック」。SFでなければ絶対に表現できないほど、物語のスケールは極限まで大きい。でもテーマは、スケールの反対側の小さい領域*3にある心? 精神? の「不変性」を探す旅だと思う。これってなんとなくスタートレック的な感じだと思った。
