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スイミーと結婚できない男

いやーさらっとした終わり方でよかった。これ以外、ほとんど見れなかったけど今期は面白いドラマが多かったみたい。
DVD宣伝の後、金魚が2匹になってたシーンで二人の結婚が暗示されてた事と、主題歌はELTの「スイミー」なことを重ねると、実は金魚ってこのドラマにおける最も重要な複線だったんだなーと思った。
スイミーは孤独な魚が仲間に出会うお話。「小さい魚が集まって大きな魚に見せる」シーンを覚えてる人も多いと思う。
しかし、その裏にはこんな真意が、、

この『スイミー』を著す直前、作者レオニは成功の絶頂にあったアメリカでの名声を捨て、故国イタリアへと戻っています。彼は、自分独りで本格的な芸術活動を開始し、そのなかで次々と絵本を出版し始めるのです。

その頃のレオニの作品は、もはやグラフィックデザイナーというカテゴリに収まるものではなく、思想家としての表現に達していました。自らの芸術家としての才能を良く理解しつつ、彼は第2次世界大戦後の世界の中で、自らが政治的にどういう役割を担えるのかを模索していました。

その自分自身の姿を、レオニは「スイミー」という、他とは違った色を持った魚になぞらえたのです。

『スイミー』の中で、最も多くのページを割かれているのは、スイミーがたった独りで海の中をさまよい、自分とは違う種の生き物たちに出会い、発見をするくだりです。

その体験の後、スイミーは魚の仲間たちと出会い、彼らを率先して大きなマグロを追い払うのですが、実はこの物語、スイミーの自己発見と自己実現、という深いテーマがあるのです。
レオニの芸術家としての生き方、それはスイミーが仲間を先導するときの言葉、
「ぼくが、目に なろう」

に集約されています。レオニは、人にはそれぞれの個性と役割があるということ、そして、芸術家として他の者が見えないものを見ることのできる人間がいるということを伝えたかったのです。

このドラマの桑野氏は、明らかに他の人と違う個性を持つゆえに孤独なんだけど、最後には仲間に出会って、その中で自己発見と自己実現をする話だと思った。(<-結婚と関係ねー感想)
そういえば、このドラマには、コンビニの店員からライバルの金田にいたるまで、悪意の人間が一人もいない*1。ある意味ファンタジーとか童話っぽいドラマだったかもしれない。

以上、深読みでした。

*1:何話かで出てたストーカー以外