アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

どくりょう。文庫化されてたので思わず読んでみた。*1
不思議な人物に誘われて本屋襲撃する羽目になってしまう現在の「椎名」と、ペットショップで働く2年前の「琴美」。この二人の物語が交互に並行して進んでいく。現在パートと過去パートがどう繋がっていくのかという興味で物語に引き込まれた。
現在パートの方は、いつものちょっと不思議な事件(と人)に巻き込まれていく伊坂作品という感じ。過去パートはもう少しハードというか不吉な予感に溢れている。伊坂作品に出てくる女の人は皆魅力的で、個人的に好きすぎるんだけど、それだけに、この不穏な空気は読んでて少し辛い感じ。
二つの物語が繋がる結末には、救いがあるような無いような、ちょっと不思議な感じ。珍しい読後感だった。読んで損は無かったと思う。ただ後半のセリフの伏線の回収は、ちょっとだけ強引かも。
で、この作品映画化されるらしいんだけど、最大のトリックは映像化不可能じゃないかな? どうするんだろう。ただし配役ははまっている気がする。松田龍平の「河崎」と大塚寧々の「麗子」は凄くありそうな感じ。

*1:なんかこの人の作品の書評多いな。こればっか読んでるわけではないんだけど