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yojikのlog

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医学のたまご

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医学のたまご (ミステリーYA!)

医学のたまご (ミステリーYA!)


チーム・バチスタの栄光」の海堂尊による近未来医学ジュブナイルミステリーです*1。一応、中高生向けというコンセプトで書き始めたらしいですが、大人子供は全く関係無く楽しめます。そもそも日経メディカルに連載されていたらしくターゲットが良く分からないですが。ちなみにケータイ小説のように横文字で書かれていて、買うのは結構恥ずかしかったです。
本書のテーマはずばり科学者倫理。なかなか硬派なものです。そして圧倒的な権力を持つ敵(・・・研究室の教授です)に対する、主人公の唯一の武器はゲーム理論のみ*2。この道具立ての無茶振りに惚れてレジに直行しました。
内容は純粋に楽しめたし、エンターテインメントの王道的なさっぱりとした終わり方も良いです。荒木飛呂彦先生曰く、「物語はハッピーエンドが基本!」ですね 。元、理系少年少女にお勧めです。この作品は一連の海棠作品シリーズの時間軸のなかではもっとも未来(2020年)という設定で、ファンの人には作品間リンクを探す楽しみもあるでしょう。ただし重ねて言うけど装丁と横文字は恥ずかしい。
追記。個人的には主人公の父親の名言集になっている各章のタイトルが結構好きです。

第4章「エラーに気づいた瞬間に直すのが、最速で最良だ」とパパは言った。
第6章「閉じた世界は必ず腐っていく」と、パパは言った。
第8章「悪意と無能は区別がつかないし、つける必要もない」と、パパは言った。
第10章「世の中で一番大変なのは、ゴールの見えない我慢だ」と、パパは言った。
第12章「道は自分の目の前に広がっている」と、僕は言った。

*1:すごいジャンルだ

*2:主人公の父親がゲーム理論の権威という設定です