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スタートレック観た!!(多少ネタバレあり)

この映画は本当にすばらしかったです。まずビジュアル面の迫力は文句なし。脚本面でも、スタトレを知らない人でも旧作ファンの心もがっちり掴むという困難な課題をクリアしてます。スタトレに全く思い入れが無い監督*1と、マニアックな脚本家という組み合わせが良かったのでしょうか。

以降はネタバレありです。

まず最初のシーケンスが熱い。今までのスタトレ映画の中でも屈指の盛り上げです。スタトレ見たこと無い人でも惹きこまれるはず。

 未来からきたロミュラン人に遭遇し攻撃されて、圧倒的なテクノロジー差の前になすすべも無いUSSケルヴィン。
 一時的に艦長代理となったカーク父は自分の命と引き換えに、カークを身ごもった妻を含む800人のクルーを逃がす。

この事件により歴史の流れに決定的な差が生じます。どちらかというとエリート育ちだったカークは完全にぐれてるし、連邦が作るエンタープライズはオリジナルの2倍のサイズで建造中。就役も10年ぐらい遅れてます。ロミュラン人がバルカン人と同じ先祖というのはずっとあとに分かることだけど、もうこの時点で周知の事実になってしまいます。当然オリジナルシリーズのメンバーもそれぞれ立場や状況が違っていて、いわばパラレルワールドみたいになってます。ジョジョでいう一巡した宇宙というやつですね。

スタートレックの世界では未来の惑星連邦が時間警察っぽいことをやって致命的な変更を防いでるという設定なのだけど、ここまで来ると全く違うタイムラインに分岐したので放置してるんでしょうか? ただこの新タイムラインという設定により、オリジナルシリーズの古臭いビジュアル*2を、設定的に矛盾無くリニューアルすることができました。ケルヴィン事件によって得られた謎のロミュラン艦のデータに危機感を覚えたため技術革新が進んだ、とか理屈はいくらでも考えられますからね。

なんだかんだで事件が解決する過程で、歴史のゆり戻しというか辻褄あわせみたいな法則が働いて、オリジナルメンバーが勢ぞろいしていくのも面白い*3。オリジナルシリーズを知ってる人ならクスっと笑うようなコネタの数々!! タイムラインが違ってても、どこかで見たことがあるセリフやシチュエーションが出てくるわけです。しかもそれを知らない人でもそれなりに面白い。ここら辺は脚本と演出の勝利ですね。

そして、旧作とこの映画をつなぐ老スポックの存在。彼の存在は、旧作のタイムラインが「無かったこと」にされず、確実に存在していることを保障します。さらに、何年たっても時間軸が違ってもつながっているカークとスポックの友情に感動してしまいます。

*1:監督はスターウォーズ

*2:全身タイツみたいな艦隊制服とか、リレーで動いてそうなコンピュータとか

*3:歴史が変わっても似たような事件がおきるのは、日本人ならドラえもんでおなじみです