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世界を変えるデザイン

読了です。

世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある

世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある


デザインというものは、一定の機能を満たした製品に対するプラスアルファだと思われることが多いです。しかしデザインにはもう一つ「意識的な問題解決」という意味があるというのが本書の主張です。そして世界の90%の貧困層の問題を解決するデザインに取り組む人たちの本です。

一般的にデザイン(設計)というのは、ある問題を分析し、さまざまな外部環境が課す制約とすり合わせながら、解決策を検討するものだと思います。この制約というものが重要で、どの制約を意識するかによってデザインの方向性が決まると思います。制約はデザイン哲学の素になるわけですね。

本書で紹介されたデザインにおける「制約」は以下のようなものです。

貧困層の問題を解決するためのデザインは、、

  • 地元でできる原料をつかい、それを使う人たちも地元で確保できること*1
  • その地域社会と一緒にデザインする、参加型開発であること。バザール的な開発を意識している*2
  • 共同創造のコンセプト。単に解決策を提供するだけではなく、解決策を生み出すのに必要なスキルを生み出すもの

でなくてはいけない。

また、彼らの取り組みはボランティアではなく、途上国の経済活動を活発にし人々を自立させ企業家にして、未来には(搾取構造じゃない)地球規模市場を作り出すものです。真の意味でのグローバリズムというのはこういうものですね。

追記:

と、ここまで書いてダンコーガイの書評が本書を1行たりとも読まずに書かれたことがわかりますね*3。彼が言ってることは想定済みというか、基本的な取り組みなわけです。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51320259.html

テケトーな書評は彼の個性なので別にいいんだけど、真剣にやってる人たちの思いを嘲笑し、ひたすら自説を開陳するだけの書評は意味が無いと思います。今からでも遅くないのでエントリ訂正すると良いと思います。

*1:さすがに原材料?については妥協して太陽電池とかプラスチック使うプロジェクトも多いけど。ただそういう場合でも可能な限りメンテフリーにするように設計しています。

*2:本書ではオープンソース的って書いてますが。。

*3:写真部分はパラッとめくったのでしょうけど