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宇宙をプログラムする宇宙

量子コンピューティングの第一人者である著者による、宇宙論の解説本。

宇宙をプログラムする宇宙―いかにして「計算する宇宙」は複雑な世界を創ったか?

宇宙をプログラムする宇宙―いかにして「計算する宇宙」は複雑な世界を創ったか?


読了しました。凄く大雑把にまとめると、宇宙自体をでっかいコンピュータ(のようなもの)と考えて、「計算」という概念を中心にすえて物理の世界を捉えるぜ、みたいな感じです。
きちんとした要約をする力量は無いので、印象的なところを抜き出し。

宇宙は何のために存在するのか?それは、計算をするためである。何を計算しているのか?それは、宇宙自体、すなわち自分自身である。

つまるところ、この世界が生きているとか、宇宙が思考しているとかいうのは、単なる比喩でしかない。
<中略>
ふつう"思考"と呼ばれているものに比べれば、このような宇宙的"思考"は取るに足らないものだ。自分のことしか気に掛けない素粒子からなるのだから。だが謙虚は愚鈍とはちがう。量子カオスは微かな運動をハリケーンにまで増幅できる。物質や光のミクロなダンスは、人間だけではなく、万物を生み出す力を持っている。二つの原子の衝突は、宇宙の未来を変える力を持っていて、実際に未来を変えているのである。

少しネタバレになるけど、最後の「個人的な覚え書き」はズンと来ます。
宇宙論のような壮大な話と個人的な思いが繋がるところで、グレッグ・イーガンの小説を読んだような気分になってしまいました。