yojikのlog

yojikのブログです

ソフトウェアエンジニアの夢、ハイパーテキスト、Google Wave

あらゆる情報(テキスト、画像、動画、音声、データ、その他なんでも)のコンテナとなる複合文書。それの情報は有機的にリンクしていて相互に参照、引用することが可能。さらに共同編集作業が可能であり、その時系列の変化は自動記録されて自由に遡ることができる。その目的は爆発的に増えていく情報を整理し、人間の負荷を低減し知的能力を拡張すること。さらに個人個人がより多様な自己表現を出来る社会をつくることにある。

そんな能力をもつメディア(もしくはメタメディア)にはハイパーテキストという名前が付いてます。コンピュータが生まれるより前に考えだされているのに、完全な実装は存在しません。ハイパーテキストの概念は、昔のアメリカのヒッピー世代の人が飛びつくツボでもあるので、長年ソフトウェアエンジニアが捜し求める聖杯のひとつです。

ハイパーテキストのアイディアの断片みたいなものはあって、もちろんWWWの仕組み自体もそうだし、HyperCardとか、Wikiはもろに影響を受けてるはずです。Smalltalkもそういう一面を持っています。

で、最近話題の Google Wave は単なるチャット機能つきの複合Web文書というだけじゃなくて、ハイパーテキストの(完全に近い)実装としての側面があるかなーと思います。ハイパーテキストにあるべき特徴だけど、WWWに無い特徴として、「他文書の引用*1」とか「履歴のトラッキング」、「共同作業」がありますが、Google Wave は全てクリアしています。さらに、それらを既存の技術の組み合わせで正面突破しているところが凄い。そうすれば既存の不完全なハイパーテキストシステムであるところのWWWと上手く融合しつつ普及させることができる。

http://neo.g.hatena.ne.jp/extramegane/20090529/1243601501

みたいなことを↑の文章読んでて考えました。というわけで、Google Waveの(プロトコルの)射程は結構長いかなーと思います。

まぁそんなそんなスゴいメディアが実用化されても、内容はソニー派vs任天堂派とか、きのこの里vsたけのこの山の罵り合いとか、しょーもない人生相談話だったりするかも。まぁそれはそれで面白いかなーと思います。

*1:元文書が変更されたら引用先に自動反映される