yojikのlog

yojikのブログです

31歳ガン漂流

飲み会でこさか坊氏に紹介すると言っていた本です。
31歳ガン漂流 32歳ガン漂流 エヴォリューション 33歳ガン漂流ラスト・イグジット
31歳でガンが発見され、余命2年という宣告を受けたライターさんのブログ本です。ちょっとかっこいい表紙で、著者と世代も近いので興味を持ちました。
著者は余命の2年+4ヶ月生きて、今年の4月になくなりました。この三冊の本には、死の直前まで可能な限り仕事をして、趣味も楽しむ著者の日常が綴られています。決して感動系の闘病記では無く、治療の経緯も出来る限り冷静に書いてあります。著者は感傷的な部分をなるべく排除しようと努めています。「感動したいなら他の本読んでくれ」というのが本人の言葉です。
それでも最後まで仕事をする姿には感動を覚えます。だって死の2ヶ月前にATOKをアップグレードして、ライターの仕事道具を研ぎ澄ましてたんですよ。32歳ガン漂流エヴォリューション表紙のように傷だらけの武士が、死地に赴く前に刀を研いでるイメージが浮かびジーンときました。テレビに出ていた著者を見た方ならわかると思いますが、普通なら座って仕事する体力さえ殆ど残っていない状態での戦いです。鬼気迫るというか、まさに人間の底力という感じ。自分を振り返って「同じように仕事に命懸けられるか?」と言われると答えづらいところです。ただ、いつかはそういう仕事が出来るようになりたいと思いますが。
結局、著者は日記中ほとんど弱みを見せませんでした。唯一「死にたくないな」と本音を漏らしたのは、死の前日の病床で口述手記したブログの最後のエントリだけでした。締め切り直前まで走り続けた著者に「お疲れ様でした!」といってあげたい。GJ!

P.S.
この本を読んで、著者のお気に入りアンダーワールドに興味が芽生えました。