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砂漠

砂漠
またまた伊坂作品を読了。おもろい、というか素敵だった。この作品は直木賞候補になったらしいね。
仙台の大学に通う、5人の大学生の青春小説。「春」「夏」「秋」「冬」という形でエピソードを重ねていく構成。
青春小説といっても、伊坂作品だけに主人公達は当然普通じゃない。丁寧語で熱い思いを叫びまくるロックな小太りメガネ君の西澤が好き。言ってることよく考えると無茶苦茶なんだけど熱さに負けて支持したくなる。「俺たちがその気になればね…砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ!」
たぶんサンボマスターの山口君っぽい感じ。




(あーここから本格ネタバレです)


ずっと続くように思えた大学生活があっという間に過ぎていて、もう残り少なくなっている。もう少しで、守られたオアシスを出て砂漠に行かなければならない。今はしゃいでる友達ともいつかは。。
この本では叙述トリックを上手く使って、このなんともいえない感覚を甦らせる。季節ごとの構成などは、このトリックのために機能している。上手いと思った。*1
読み終わった後も、魅力的な主人公達*2に、なんとなく会いたくなって、時々拾い読みをしてしまう。まぁそんな感じの本です。
唯一の難点は表紙の絵の意味がよくわからんこと。

*1:トリックを成立させるための不思議な設定がいくつかあるんだけど。

*2:前述の西澤や素直クールな東堂さんとか