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ハッカー倫理って何?

http://d.hatena.ne.jp/iammg/20071117
ハッカー倫理って何よ?というのが凄く気になった。言及先のエントリでは定義されないまま話がガンガンすすむので、座りが悪いです。ハッカー倫理とボランティア精神って似ているようで全然違う気がする。
ググってもっとも分かりやすいのがこちら。

スティーブン・レビー「ハッカーズ」で次のように記している。

  • コンピュータへのアクセス、加えて、何であれ、世界の機能の仕方について教えてくれるものへのアクセスは無制限かつ全面的でなければならない。実地体験の要求を決っして拒んではならない。
  • すべての情報は自由に利用できなければならない。
  • 権威を信用するな??反中央集権を進めよう。
  • ハッカーは、学歴、年齢、人種、地位のような、まやかしの基準ではなく、そのハッキングによって判断されなければならない。
  • 芸術や美をコンピュータで作り出すことは可能である。
  • コンピュータは人生をよいほうに変えうる。

なんか素敵ですね。ハッカーじゃないけどソフトウェアの仕事をする人間して、「芸術や美をコンピュータで作り出すことは可能である」「コンピュータは人生をよいほうに変えうる」には全面的に同意したい。
で、もう少し辿るとすれば、ハッカー族の原典ともいえるジャーゴンファイルへ。

1. The belief that information-sharing is a powerful positive good, and that it is an ethical duty of hackers to share their expertise by writing open-source code and facilitating access to information and to computing resources wherever possible.
2. The belief that system-cracking for fun and exploration is ethically OK as long as the cracker commits no theft, vandalism, or breach of confidentiality.

こちらでは、まず「情報を共有することは良いこと」であると述べられている。さらに各人が守る義務として「オープンソースのコードを書いて、個人の技能を共有すること」「可能な限り、情報やコンピュータリソースに(自由に)アクセス出来るようにすること」みたいなことが挙げられている。*1
なんでこんな面倒な義務を果たさなければいけないかというと、各人が楽しくコードを書くためである。利己的な要求を極限まで追求した結果に過ぎない。というか倫理とか法律ってそういうところから生まれる感じ。
というわけで、ハッカー倫理というのは、ボランティア精神どうこうの話じゃなく、(いろんな意味での)コンピューティング自体を楽しむためのものじゃないかなーと思いました。
言及先エントリの話に戻ると、逆説的なんだけどニコニコな人たちもハッカー倫理っぽい動機で動いてる気がします。

*1:2についてはまぁクラッカーとの区別みたいな話