今号のモーニング2「[[不思議な少年]]」

今回の「不思議な少年」は、かなり面白かったです。(以下ネタバレあり)
平凡な初老のサラリーマンが不思議なバーに迷いこむ。実はそのバーは、白雪姫の王妃や、シンデレラの義姉たちなど、いろいろな物語の登場人物が集う場所だった。。
本来のグリム童話では、「物語」は実は彼女達に対して残酷な仕打ちをしている。王妃は真っ赤に焼けた鉄の靴を履かされて死ぬまで踊らされるし、義姉はハトに眼をえぐられる仕打ちを受ける。それでも悪役たちは読者が望むなら、それを覚悟した上で悪役を演じている。実は普通の人間の人生でも、殆どの場合は意に沿わない役を演じてるわけで、結局この話は人生の縮図みたいになっている。「少年」に言わせれば悪役達は誰よりも「人間らしい」わけです。
この話を読んで、なんとなく「25人の白雪姫」の一件を思い出しました。「不思議な少年」の中でも、この手の残酷で優しい話は大好きですねー。ちなみにオチは結構予想外で秀逸です。
あと童話の登場人物たちが、役を演じているというメタな設定は、ちょっと月光条例にも似ていますね。