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奇跡の経営

奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ

奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ


kdmsnrさんがお勧めしていたスゴ本。読んでみたら本当にスゴ本。まさに危険思想書だ!!

危険思想とは常識を実行に移さうとする思想である (by 芥川龍之介)

感想はあとでかく。 書いた(酔っ払いながら書いているのであとで読むと恥ずかしいだろう)
社員のコントロールを一切やめることによって、急成長をとげたブラジルのセムコ社*1の社長のお話。
この会社には経営理念も就業規則も組織図も人事部も無い。一切のコントロールをやめるかわりに、社員を大人として尊重し、すべてを自主性にまかせることによって秩序を維持している。この会社が存続する目的は、売上や利益、成長ではなく社員を幸せにすること。逆説的だけど、この経営方針で急成長をとげている。
この会社が存続しているのはまさに奇跡だけど、ポイントはいくつかあると思う。
まずは「仕事」と「幸福」の定義。著者のセムラー氏は、辛い仕事をするかわりに、楽しい余暇の時間とたっぷり報酬がある状態を「幸福」とは考えていない。仕事が個人の才能や目的意識や興味と合致し、楽しいものであることを「幸福」と考える。
みんなが好きな仕事をすぐに出来るとは限らない。社員の才能や興味を会社のニーズと上手く合致できるように、会社も個人も常に模索する。「会社が社員を幸せにする」ことを、そのように定義する。それは利益を創出する手段ではなく、会社の目的そのものなのだ。社員の目的と会社の目的は完全に一致している。建前じゃなく本気で信じていることに狂気を感じる(よい意味で)。
次は社員を信頼すること。就業規則が無くなったら誰も会社に来なくなるとは考えない。社員は立派な大人だから、自分の仕事にとって必要ならば、それぞれ会社や自宅で適切に就業するはずだと著者は考える。こういう風に自分で自分のコントロールを握っているから、仕事する時間が楽しいものになるんだろう。
もちろん影の部分はある。内部犯行と思われる窃盗事件が発生したり、マリファナを吸ってハイのまま仕事をする奴がいた場合、どのように対応したか?という話が興味深い。結論に納得いかない人もいると思うけど、極限まで考え抜いた上で結論を出してる点に好感が持てる。
会社は社員の幸せのために存在し、会社の目的と自分の目的は一致している。さらに会社が自分を信頼してコントロールをまかせてくれる。このような状況だったら、社員は全力でそれに応えるだろう。これが成長の理由だと思う。
本当に夢みたいな話だけど、上の文章の「会社」の部分を「国」に置き換えて読むと、実は普通の民主主義だ。民主主義を徹底することは難しいかもしれないけど、過去の世代は確かにそれをやった。過去の世代がやったことを今の自分達が本当に出来ないんだろうか?
知り合いにこの本のこと話すと、こんなのありえないよね、俺達の現実とは違うよねという反応が多い。でも理想も無いまま、現在の状況とイベントに対応するだけ人生って、単なる状態遷移マシンじゃんと思う。少なくとも現実と理想の差異を知り、それを埋める努力をしたいなーと思う。
まずは堂々遅刻することから*2

*1:基本は製造業でいいのかな?

*2:あれ?ちょっと違う?